労働安全衛生、保安防災


基本的な考え方

保土谷化学グループは、「安全は生産活動の原点である」ことを、協力会社を含めたすべての役職員の最優先事項とし、保安防災、安全衛生関連諸法令の遵守を徹底しております。2023年度も引き続き業務上の死亡・傷病を発生させない(休業災害0件)、設備、機械、器具、原材料等による爆発、火災、破裂、倒壊、漏洩、流出等を発生させない(重大事故0件)を目標としております。
保安防災、労働安全衛生を推進するため、関連諸法令に基づいた保土谷化学グループが行うべき基本事項を「防災規程」「安全衛生管理規程」および「物流安全管理規程」に明記しております。

労働安全衛生の取り組み

「安全衛生管理規程」は、全従業者の労働災害ならびに健康障害を防止するための、安全衛生管理に関する基本事項を定め、労使が協調して職場における全従業者の安全と健康の確保とともに、より快適な作業環境の形成を促進しながら作業遂行の円滑化を図り、生産性の向上に資することを目的としております。
月1度以上、労使代表者と産業医で構成される安全衛生委員会を開催し、安全および健康ならびに環境の保護に関する事項の調査・審議を行い、事業所の施策に反映させております。
また、2012年2月3日に発生した、横浜工場の火災事故における教訓を風化させず、安全文化の向上を目指し、安全な事業体制の構築を、グループ全従業者で共有するため、毎年2月3日をグループ「安全の日」としております。

無事故・無災害への挑戦

「地域・社会に対しても、環境保全を含む安全・安心を提供する」ことを基本として活動しております。「無事故・無災害」に向けた取り組みの強化として、全従業員への「安全意識」の浸透および危険を感知する「感受性」の高揚に努めております。
従来からのKYT(危険予知訓練)およびPYT(プロセス異常予知訓練)活動の継続、事業所内での安全パトロール・3S(整理・整頓・清掃)巡視、事業所間での相互視察を行い、安全意識の向上に努めております。また、RC内部監査では、5ゲン主義(現場・現物・現実・原理・原則)による活動へ展開し、メカニズムや法則の原理、物事の決まりごとや規則などの原理を含めた安全対策、安全教育を展開しております。
2022年度は、引き続き各施策の取り組みを強化を継続した結果、保土谷化学グループ社員、協力会社社員いずれも休業災害は発生せず、また重大事故も発生せず目標を達成しました。

■休業災害の発生状況

  保土谷化学グループ 協力会社
発生年度 2020 2021 2022 2020 2021 2022
発生件数(件) 1 0 0 0 0 0
被災者数(人) 1 0 0 0 0 0
休業災害度数率※1 0.92 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00
休業災害強度率※2 0.001 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00

※1 休業災害度数率とは、100万労働時間あたりの労働災害による死傷者数で、災害発生の頻度を表し、以下の式によって算出されます。なお、当該期間内の死亡者数はゼロです。
度数率=被災者数/延労働時間数×1,000,000

※2 休業災害強度率とは、1,000延べ実労働時間当たりの延べ労働損失日数をもって、災害の重さの程度を表し、以下の式によって算出されます。
度数率=延労働損失日数/延労働時間数×1,000

緊急時の対応

「防災規程」では、緊急時の連絡通報、自衛防災組織編成や緊急時に備えた教育訓練などの対応が定められております。教育訓練は、事業所内における有事の際などの緊急時に迅速な対応が取れるように、定期的な防災訓練、消火訓練、消防署と合同の救急救命訓練などを定期的に実施しております。
また、各工場は地域の消防操法大会に積極的に参加しております。
また、コロナ禍のため2022年度も開催されませんでしたが、各工場は毎年地域の消防操法大会に積極的に参加しております。
コロナ禍前の2019年度は、郡山工場は郡山地区「自衛消防操法大会」に、横浜工場は鶴見区「自衛消防隊操作法技術訓練会」に、南陽工場は周南地区「防災競技救急操法大会」に出場しました。工場の若手社員を選手として選抜し、消防操法の習得と同時に緊急時の対応として落ち着いて素早く行動ができるように指導しております。

郡山工場

横浜工場

南陽工場


物流安全への
取り組み

保土谷化学では、2021年1月、国土交通省・経済産業省・農林水産省が提唱する「ホワイト物流」推進運動※1の趣旨に賛同し、「ホワイト物流」推進運動事務局に自主行動宣言を提出しました。
自主行動宣言では、物流の効率化やモーダルシフト等の運送内容の見直し、契約の適正化、安全の確保を取り組み項目にております。
安全の確保は、グループの製品等に係わる物流における事故・災害の防止と事故・災害発生時の措置についての基本事項めた「物流安全管理規程」に従い、物流関係者をはじめ地域住民の方々の安全・健康を確保するとともに地域環境の保全っております。万が一、危険物の輸送時に事故が起きた場合に、適切に対処することができるように、措置、通報情報をしたイエローカード※2を輸送業者に対して交付するなど、安全対策を講じております。
さらに、荷役作業時の安全確保、異常気象時の適切な運航判断も実施するようにしております。
保土谷ロジスティックス株式会社では、危険物、化学品、医薬品の取り扱いをはじめ一般貨物、低温貨物等あらゆる製品物流において、委託している物流協力会社との輸送安全協議会、SP(ストックポイント)※3会議、各種安習会を開催し、SDS(安全データシート)※4、安全関連情報の共有化やイエローカードの携行等の安全活行っております。
また、危険物の輸出時の安全活動として、製品ラベルやSDSを輸出先の公用言語化するなど、グローバルな安全対策を講じております。

  • ※1 「 ホワイト物流」推進運動とは、深刻化する運転手不足に対応し、国民生活や産業活動に必要な物流を安定的に確保するとともに、経済の成長に寄与することを目的とし、特にトラック輸送の生産性の向上・物流の効率化や、女性や高齢の運転者も働きやすい労働環境の実現に取り組むものです。
  • ※2 イエローカードとは、危険物輸送時の事故に備え、事故発生時の応急処置や災害拡大防止措置等を記載したものです。
  • ※3 SP(ストックポイント)とは、製品を配送するための流通拠点であり、海上輸送と陸上輸送の中継を行う施設です。
  • ※4 SDS(安全データシート)とは、化学物質および化学物質を含んだ製品を他の事業者に譲渡・提供する際に交付する化学物質の危険有害性情報を記載した文書のことです。
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横浜工場
製造部

岩野 祥明

安全で安心な職場を作るために

横浜工場では、毎月開催される安全衛生委員会の中で労働災害や健康障害の防止策、産業医による職場巡視や健康増進へのアドバイス、リスクアセスメントやヒヤリハットに関する事項について審議を行っています。その内容は各職場の推進者に共有され、推進者を中心に職場安全衛生会議を開催します。その中では安全衛生に関わる教育の実施、ヒヤリハットや過去の災害事例について議論を行い、「職場に潜んでいる危険」を見つけ、また「危険な箇所」は他の人たちに知らせる等、安全に対する意識を高め労働災害の防止に役立てています。今後も、私たちは安全で安心な職場環境の構築と無事故無災害の達成に向け取り組んでいきます。

南陽工場

倉本 敏和

無事故・無災害達成へ向けて

私たちは無事故・無災害達成への取り組みの一環として、職場単位で安全衛生会議を毎月開催しています。会議の内容は、安全衛生推進員会で挙げられた議題や資料(ヒヤリハット、過去の事故災害事例等)及び意見を共有し、ディスカッションを行っています。ヒヤリハットについては、実際に体験したものだけでなく、危険が想定されるヒヤリ事例を横展開し、労働者の危険への感受性を高める活動を行っています。会議の場では、議題の深掘りや意見交換をメインとし、作業に際して注意すべきポイントを共有することでプロセスに対する理解を深め、ベテラン作業者から若手作業者へ技術や知識を継承しています。今後も安全で安心して働ける職場を構築し、無事故・無災害の達成へ向け尽力します。

南陽工場

貞森 夕輝

若手従業員を中心とした防災研修会

2019年2月、周南地区保安防災協議会が主催し、近隣の工場から100名近くが集う「若手従業員を中心とした防災研修会」に参加しました。
研修会では、高所作業の際の墜落制止用器具について、正しい取り扱い方を学びました。フルハーネス型墜落制止用器具を使用してのぶら下がりを実際に体感・体験すると、安全衛生保護具の大切さを肌で感じることができ、貴重な経験となりました。
今年も参加予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で、残念ながら中止となってしまいました。今後も継続して防災研修会へ参加することによって、若手従業員の安全意識の向上につながり、「安」心を「全」員で掴むことのできる工場になると確信しています。


郡山工場
(現筑波研究所)

大倉 友也

安全の維持のために

自衛消防操法大会とは、「自らの職場は自ら守る」を合言葉に災害発生時に適切な初動対応が行えるよう各事業所の自衛消防隊を育成する大会です。
昨年は郡山地区で32チームが参加し、日頃の練習の成果を競い合いました。私が参加した2年間は2年連続準優勝と非常に悔しい結果ではありましたが、消防操法を通して安全に対する意識や災害時の初期対応を学ぶことができました。
工場は安全であることが当たり前ですが、この当たり前の安全を維持することはとても大変です。常に安全に対する高い意識や知識を持つことが化学メーカーで働くものの務めであり、それを工場全体に浸透させていくことで安全が維持できるのではないでしょうか。


郡山工場
電子材料製造部

大越 崇弘

郡山市自衛消防操法大会参加

「自らの職場は自ら守る」が合言葉の自衛消防操法大会は、事業所で災害が発生した際に適切な初動活動ができる 自衛消防隊を育成するための競技会です。郡山市内の企業約30チームが参加しますが、私たちは日ごろの練習の成果を出せるようにただがむしゃらに頑張りました。だからこそ、1年目、2年目ともに「最優秀賞」に選ばれた時の喜びは言葉では言い表せません!
大切なのは、一人ひとりが常に「安全を全てに優先させる」意識で行動することです。意識や知識が身につけば自分の 行動を見つめ直すことができるし、自分の意識レベルが上がれば周囲の人にも声がけができるようになる。これこそが安全に対する理想的な姿ではないでしょうか。