TOPメッセージ

皆様
サステナビリティ関連のページにアクセスして頂き、有難うございます。
保土谷化学グループのサステナビリティ経営に対する考え方、姿勢について述べさせて頂きます。

前・中期経営計画“HONKI2020”(2015年度~2020年度)の振り返り

CSR関連の取り組みと成果

CSRの取り組みについては、まず、推進体制としてCSR委員会を設置し、CSR活動を専門に担当するCSR 推進部を新たに設けました。全社を挙げてのCSR活動により、SDGs達成に貢献する製品の開発やエコレールマークの取得、ホワイト物流宣言への賛同など、流通過程も含めた環境問題への貢献を通して、さらにはさまざまな地域貢献活動を行うことで企業の社会的責任を果たすことに努めてまいりました。また、「健康経営優良法人2021」に認定され、FTSE Russellの2020年度のESG評価では、世界の化学企業300社弱の1社に取り上げられて中位レベルの評価を得るなど、取り組みに対して一定の評価を得ていると認識しております。

※FTSE Russell:イギリス・ロンドンに拠点を置く、株価指数の算出・管理や、関連する金融データの提供サービスを行う企業。世界的なESG評価機関としても知られる。

ガバナンスの強化

ガバナンスの強化についても、6年間で確実に進展しました。“HONKI2020”初年度の2015年6月に監査等委員会設置会社に移行し、翌2016年7月には自社株報酬制度を導入しました。さらに、2018年1月には監査等委員以外の取締役を7名から3名に、2019年6月には監査等委員である取締役を5名から4名に削減しました。これ以降、取締役7名のうち3名が社外取締役となり、コーポレートガバナンス・コードが定める比率3分の1以上を達成しております。また、2019年6月に任意の指名・報酬委員会を設置しました。

人材育成、IT環境の整備

人材育成の取り組みでは、「テクニカルラーニングセンター」の設置など、生産現場での教育体系を整え、研究開発分野でも「R&Dラーニングセンター」を設置し、教育プログラムの策定のみならず、進捗管理体制の整備も行いました。また、新たな教育項目を盛り込んだ全社教育体系を完成させ、自ら考え、調べ、行動する人材育成のための教育制度の充実を図りました。
海外トレーニー制度に関しては、コロナ禍の影響により2020年度は実施を見送りましたが、こうした施策を通じて着々と人材育成の取り組みを進めております。新卒採用に加え、必要なスキルを有する人材の通年採用を行うことで、今後も状況の変化に柔軟に対応できる人材の育成を図ってまいります。
また、IT環境の整備にも取り組み、仮想デスクトップを比較的早い時期に導入していたおかげで、コロナ禍の中の在宅勤務にもスムーズに対応することができました。

新・中期経営計画「SPEED25/30」で目指すこと

2021年度に、新・中期経営計画「SPEED25/30」を公表いたしました。この名称は、スペシャリティ製品の「S」、ポートフォリオの「P」、エンゲージメントの「E」、ESG経営の「E」、デジタルトランスフォーメーション(DX)の「D」に由来しております。2025年度を「目指す姿」、2030年度を「ありたい姿」として、そこへ向かってスピーディーに変化していくという姿勢を「SPEED25/30」として表しております。

「200年企業」を目指すために

当社グループの経営理念には、「環境調和型の生活文化の創造に貢献します。」という文言があります。当社は2016年に創業100年を迎え、現在は次の100年に向けて200年企業となることを目指しております。200年企業を目指すに当たり、まずは10年、20年先の社会における課題を想定して、その課題を解決することで価値を創出していくことが必要であると考えました。そこで、2050年までの「メガトレンド」を意識し、2030年度の「ありたい姿」を設定し、そこからバックキャストで10年間のシナリオと中間地点として2025年度までの「目指す姿」を策定しました。
激変する社会環境の中で、社会課題の解決を通して価値を創出することにより、長期的に継続して成長し、その結果として経営理念を実現し、企業の社会的責任を果たすことを目指して策定したものが、新・中期経営計画「SPEED25/30」です。

2030年度の「ありたい姿」

2030年度のありたい姿は、6つの項目に分類しております。
「事業強化」は、多面的事業ポートフォリオの進化、「規模拡大」は、新製品を継続して創出することを指し、この2つを高い生産性で実現することにより「効率化」を進めてまいります。
「従業員視点」では働きがいの向上に取り組み、「社会的視点」では、SDGs 達成に貢献し、環境に優しい企業であることを目指します。「株主視点」は、長期に継続して安定した配当を実現していくという目標です。以上の6つの項目のうち、「株主視点」以外の5つは、DXの推進と掛け合わせながら、実現を目指して取り組みを進めてまいります。

サステナビリティ経営の推進

当社の歴史は、電解法による苛性ソーダ製造を日本で初めて行ったことに始まります。戦後は高度経済成長を支える化学産業の一翼を担う企業として、汎用の化学製品を多く製造していた時期がありました。特に、郡山工場は石炭火力による自家発電設備を持つなど、どちらかと言えばエネルギー多消費型の事業ポートフォリオであり、1990年代のCO2排出量は全社で20万トンほどでした。

CO2排出量削減について

しかし、1980年代からはイメージング材料などのスペシャリティケミカルを中心とする事業ポートフォリオへの転換を進め、電解事業から撤退し、石炭火力の自家発電設備を2000年に停止しました。
その後も事業の選択と集中を進め、有機EL 材料、ホスゲン誘導体などのニッチ・スペシャリティ事業が大きく伸長し、さらには、重油からLNGへの燃料転換も早期に行うなどした結果、2020年度のCO2排出量は4万8千トンとなり、化学メーカーとしては比較的、排出量を抑制した事業構造を達成しております。

サステナビリティ推進体制の構築

しかし、今後もこの数字に安住せず、継続してCO2排出量削減に取り組んでまいりたいと考えております。気候変動問題を中心に、環境課題は世界レベルで深刻化しております。
当社としても、これに対応したサステナビリティ経営を一層推進していく必要があり、「SPEED25/30」のVISIONでは、「環境に優しいモノづくりで、持続可能な社会の実現に貢献する企業」となることを掲げました。そのため、2021年10月1日付でCSR委員会を発展させたサステナビリティ推進委員会を設置しました。さらに、従来CSR委員会の下にあったレスポンシブルケア(RC)とクオリティマネジメント(QM)を行うRC・QM分科会に加えて、地球環境の保護・改善に関する活動を推進する地球環境分科会と、TCFDに対応した開示活動を推進するTCFD分科会も設けました。サステナビリティ方針やTCFDの要求項目である「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標と目標」の概要については2021年度統合報告書にて公表し、目標数値の具体的な内容などは2021年度中に検討を進め、環境会計の開示と連動させ、2022年度前半に開示を予定しております。
当社は化学メーカーの責任として、以前から環境課題に取り組んでまいりましたが、今回の組織改編により、いっそう本質的な討議ができるようになります。

目に見えない遺産を受け継ぎ希望が持て、働きがいのある企業に

当社グループは規模に比べて事業分野が広く、環境変化に左右されにくいという強みがあります。この適正に構成された事業ポートフォリオを進化させていくためには、先を読む力が非常に重要になります。事業規模の拡大に注力することも大切ですが、私たちは化学メーカーとして、「持てる力」を発揮して、環境調和型の生活文化の創造に貢献できる企業を目指しております。私たちの企業メッセージは、「化学で夢のお手伝い」であり、将来に向けて私たちが目指しているのは、まさにこの「化学で夢のお手伝い」を実現する会社になるということです。
当社の創業者・磯村音介は「本邦嚆矢」という言葉をよく用いておりました。これは「日本で初めて」という意味ですが、彼は他人の後を追うのではなく、常に一歩先んじて挑戦するということを旨として、次々と新しい事業を興しました。この磯村音介のチャレンジ精神は当社のDNAとして脈々と受け継がれており、現在好調の有機EL事業も、20年前の2001年にはいち早く商業生産を開始しておりました。このように諸先輩方が築いてきた本邦嚆矢のチャレンジ精神に加え、継承されてきた技術やモノづくりに携わる喜び、オリジナリティあふれるポートフォリオと環境に優しいモノづくりで持続可能な社会の実現に貢献するというビジョン、そして、お取引先をはじめとする全てのステークホルダーの皆様に対する感謝の気持ちなど、こうした目に見えない遺産を次の世代につないでいくことが、私の役目だと思っております。
社長就任の際、従業員には「希望が持て、働きがいのある、勤めていてよかったと思える会社にしよう」と伝えました。希望が持てるということは、安心感と期待感があるということです。
安心感とは、将来にわたって会社が継続して成長していくことであり、期待感とは、社会に貢献している企業で働いていると実感できることだと思います。これは「働きがいのある」「勤めていてよかったと思える」気持ちにもつながります。そのためにも、今後は従業員だけでなく、株主や地域の方々にも、当社ビジネスの社会貢献のあり方について、より具体的・積極的にアピールをしていくことで、ステークホルダーエンゲージメントも向上させてまいります。

以上の取り組みを通じて、保土谷化学グループは、200年企業を目指して、長期に継続して企業価値を向上させていくためにも、サステナビリティ経営を促進してまいります。
ステークホルダーの皆様には、今後とも保土谷化学グループへのご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。