保土谷化学では50年以上にわたって、過酸化水素およびその誘導品を開発、製造、販売しています。
過酸化水素は、水と酸素に分解するという特徴から、環境にやさしくクリーンな製品として幅広い用途で皆様の生活をサポートしています。過酸化水素は、従来の紙パルプの漂白や工業薬品向けだけではなく、近年では動物薬などへの展開により、積極的に販売分野を拡大しています。
また、過酸化水素の誘導品として、過炭酸ナトリウムと過酢酸があります。過炭酸ナトリウムは、漂白剤や洗浄剤として使用されており、過酢酸は、日本で初めて食品分野向けの製造許可を取得し、現在その展開を加速しています。
紙パルプの漂白
半導体の洗浄
過酸化水素
用途1〜紙・パルプの漂白など
コピー用紙など、私たちの身近にある白い紙。この紙パルプの漂白では、塩素ガスを使用しない漂白剤として過酸化水素が用いられるようになり、需要が大きく伸びました。他にも工業用酸化剤や半導体の製造工程における洗浄剤、公害・廃水処理などに広く使用されています。
用途2〜環境分野への展開
環境用途では、従来の排水処理だけでなく、汚染された土壌の浄化として酸化力を利用して有機汚染物(VOCなど)を分解する方法が行われるようになってきました。過酸化水素を用いると、微生物では難しい高濃度の汚染物質を分解することができ、浄化期間を短縮できるという利点があります。加えて過酸化水素は、環境に影響を及ぼさないため土壌浄化に最適であり、ニーズはさらに高まるものと期待しています。
用途3〜動物用医薬品への展開
ある種類の魚類(カンパチ、ブリ、マダイ、トラフグ等)の表面に付着する寄生虫の駆除剤として展開しています。養殖場で、海水を利用した薬浴方法で魚表面の寄生虫を効果的に駆除でき、海を汚すことなく、健康な魚を育てることができます。
過酸化水素の誘導品
過炭酸ナトリウムは、固形の過酸化水素とも言われ、衣料用漂白剤や家庭用洗浄剤などに使用されています。
過酢酸は、ペットボトルの充填ラインの除菌や内視鏡の除菌や、食肉、野菜、果物の表面除菌に用いられるなど、幅広い分野で使用されています。厚労省が過酢酸を食品添加物に指定したことを受け、当社の培ったノウハウを牛・豚・鶏・野菜・果物の表面除菌に活かすことが可能となりました。過酢酸は、従来の除菌剤と比較して、有機物による失活が少なく、洗浄水使用量の軽減等の特徴を持ち、食品業界で注目されています。
農業・園芸分野においては、過酸化水素を主成分とした環境への影響が少ない酸素供給剤(土壌改良剤)を展開しています。
保土谷化学は、これら過酸化水素およびその誘導品で「環境にやさしいものづくり」に貢献しています。
製紙工程図
※代表的な用途である紙パルプの漂白工程です。