レスポンシブル・ケア マネジメント

方針・基本的な考え方

レスポンシブル・ケア(RC)とは、世界の化学産業界で展開されている活動です。化学製品の開発から製造・物流・使用・最終消費を経て廃棄に至る全ライフサイクルにおいて、「安全・健康・環境」を確保すること、また、製造する化学製品の品質の維持・向上を図り、これらの活動を通じて、地域社会と対話を進めることで社会からの信頼を深めていくことを目指す、自主的管理活動です。保土谷化学グループは、レスポンシブル・ケア活動を経営の最も重要な柱の一つと位置づけ、「環境保全と安全・健康と品質の確保は、経営基盤であり、事業活動の基本である」という基本理念のもと、環境保全、保安防災、労働安全衛生、化学品・製品安全、品質保証、物流安全、社会との対話に至るすべてに取り組んでいます。
また、レスポンシブル・ケア規程を定め、事業活動全般を評価し、化学物質の総合安全管理に関わる経営上の目標および施策を「レスポンシブル・ケア基本理念」、「レスポンシブル・ケア基本方針」として社会に公表し、その重要性を全従業員に対し教育・周知しております。

レスポンシブル・ケア宣言

保土谷化学は1997年にJRCC(日本レスポンシブル・ケア協議会)に入会し、レスポンシブル・ケア実施宣言を行いRC基本理念、RC基本方針を制定しました。
RC基本方針は、健全な事業活動を遂行するために、RC基本理念に則り、環境・安全・健康・品質の確保を積極的に進めるとともに、常に継続的改善を図り、社会との共生に努めることを骨子としたものです。以降毎年、このRC基本方針に基づいた年度方針を作成し、全従業員がRC活動を推進することにより、事業活動の基本となる環境・安全・健康・品質の確保に積極的に取り組んでおります。

【レスポンシブル・ケア実施宣言】

保土谷化学は、環境の保護と人の安全・健康を確保するためここに「レスポンシブル・ケア(RC)基本理念」を定め、日常の事業活動を通して、レスポンシブル・ケア活動を実施することを宣言いたします。

1997.6.23

レスポンシブル・ケア(RC)基本理念
  1. 環境保全と安全・健康と品質の確保は、経営の基盤であり、事業活動の基本である。
  2. 環境保全と安全・健康と品質の確保は、従業員一人ひとりが各々の立場で常に自覚と責任を持つことによって達成される。
  3. 環境保全と安全・健康と品質の確保は、社会の信頼を深め、従業員の幸福につながる。
レスポンシブル・ケア(RC)基本方針
  1. 従業員一人ひとりがRC基本理念に基づいて自覚と責任を持って行動する。
  2. 事業活動にかかわる法令・規制および会社が同意する地域社会・取引先の要求事項を遵守する。
  3. 操業を安全に管理することにより、従業員と地域住民の安全・健康を確保する。
  4. 高機能、高付加価値の製品・サービスを提供する。
  5. 製品の開発・製造・輸送・使用・廃棄に至るまで環境に配慮し、汚染予防、環境負荷削減対策を実行することにより、環境の保全に努める。
  6. 化学物質の安全性情報を収集し、提供・教育することにより、従業員・取引先・業者の安全と健康を確保する。
  7. 行政当局、業界団体との連絡を密にし、環境・安全・健康・品質の確保に努める。
体制
●保土谷化学のレスポンシブル・ケアマネジメント体制

レスポンシブル・ケア活動の責任者は、環境安全部を総轄する執行役員です。
この担当役員が委員長を務めるRC・QM分科会を年4回定期的に開催し、レスポンシブル・ケア活動に関する計画の策定、実績評価、会社全体の総轄など審議・決定されます。
次年度のRC目標は、経営会議に諮られ、社長決裁を受け、承認されることから経営層へのコミットメントを確実にしています。RC目標を達成ため、RC基本理念に基づいきISOマネジメントシステム(ISO9001およびISO14001)を保土谷化学グループとして統合認証を取得し、PDCAる目標管理および持続的改善に努めています。
また、各事業所では、全社RC計画に基づき事業所、職場計画までブレークダウンし、各職場の安全衛生推進員などが主体となり、活動を進めております。

●RC監査

RC監査とは、「RC基本理念」、「RC基本方針」および「レスポンシブル・ケア規程」に従い、RC計画およびISOマネジメントシステムに則って実施され、有効に機能しているかを検証するために行っている取り組みです。
RC・QM分科会リーダーおよびメンバーで監査チームを構成し、本社、工場、研究所、関連会社でRC活動が適切に実施されPDCAサイクルが着実に回っているか、また、環境・安全・健康に関わるコンプライアンスに関してもチェックしています。
このRC監査において、環境・安全・健康・品質に係わる顕在化した問題、または潜在的なリスクがあれば、明確に示し改善を促しています。
2022年度は、本社、工場、研究所、関係会社に対し9回のRC監査を実施しました。

●RC教育

保土谷化学グループは、RC活動の理解と着実な推進のために、新入社員や職場が変わった者に対し、計画的にレスポンシブル・ケア7コード(マネジメントシステム、環境保全、保安防災、労働安全衛生、物流安全、化学品・製品安全、社会との対話)に加え、品質管理または品質保証に関して教育を実施しています。
また、ISOマネジメントシステム内部監査員についても、養成研修を毎年定期的に実施し、人材育成に努めております。

レスポンシブル・ケア 7コード

マネジメントシステム

6つの各活動をシステムとして統一的に運用することにより、環境・健康・安全の継続的向上を有効かつ効率的に推進する。

環境保全

事業活動に伴い、環境負荷物質低減を継続的に進め、環境・健康・安全の向上と関心に応える。

保安防災

化学品の漏洩、及び火災、爆発の事故を防止することを目的。

労働安全衛生

労働災害の撲滅、潜在的危険源の低減、健康増進と快適な職場環境の形成を促し、もって事業場の安全衛生水準の向上を図る。

物流安全

従業員、輸送業者、集配業者、請負業者、並びに、社会及び環境に及ぼす化学品の流通時のリスクを軽減する。

化学品・製品安全

化学品・製品の全ライフサイクルに渡って環境・健康・安全面に及ぼす危険・有害性のリスク管理を図ることにより、全ての利害関係者の環境・健康・安全を推進する。

社会との対話

化学品・製品の全ライフサイクルにわたる環境・健康・安全に係わる情報を一般社会および地域社会に提供すると共に、従業員並びに一般市民に対する環境・健康・安全に関する正しい知識の普及に努め、一般社会の関心事に適切に対応する。


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筑波研究所
機能材料グループ

島 大和

安全衛生推進員として

私は安全衛生推進員として、職場で取り組むさまざまな「環境・安全」に関する施策の年間計画書を作成し、その実施や進捗管理を担当しています。毎月開かれる機能材料グループの職場安全衛生会議では、上司・部下、先輩・後輩など年次に関係なく活発な議論が交わされ、さまざまな取り組みを通じて一人ひとりが安全についてより積極的に考えられる機運も高まってきました。「社会からの信頼」や「社会との共生」に不可欠な「環境・安全」は、企業活動の根幹を支える重要なテーマです。従業員が一丸となって取り組むべきものであり、私も皆と協力して環境と安全に常に 配慮しながら、自分に与えられた役割をしっかり果たしていきたいと思っています。