気候変動への対応


気候変動への対応

保土谷化学グループでは、気候変動対応を重要な経営課題であると考えております。
保土谷化学が排出する温室効果ガス(GHG)のほとんどがエネルギー起源のCO2ですが、2020年度のGHG排出量はSCOPE1とSCOPE2の合計で約48,000tです。エネルギー使用量の減少により、対2019年度比、直近5年間の平均変化率ともに減少しております。今後、生産量増加が見込まれる中、2030年を見据えた長期的な視点で予測されるリスクと機会を考慮し、緩和と適応の両面から気候変動対応に取り組みます。
この考えの下、エネルギー原単位改善に向けた省エネルギー機器の導入推進、再生可能エネルギーなど、GHG排出量削減に関する技術・費用の調査を行い、排出削減に努めてまいります。また、現状ではSCOPE3の把握は、カテゴリー4の一部(特定荷主)のみの把握にとどまっておりますが、他のカテゴリーについても集計を実施中で、結果の解析を通して対策を講じ、GHG削減に努めてまいります。
また、CO2排出量削減を促進するため、自らの炭素排出量に対して、価格付けを行う、ICP(Internal Carbon Pricing)を実施する企業が増えております。保土谷化学では、CO2排出量および電力使用量削減効果がある設備投資について、燃料代、電気代のコストダウンの利益では投資回収期間が長期にわたる懸念があります。来たるべき低炭素社会に向けた気候変動対応として、このような投資を後押しできる仕組みとして、ICPの導入を検討しております。

TCFDへの取り組み

保土谷化学では、TCFDの提言に対し、化学企業として気候変動に真摯に向き合い、事業に影響するリスク・機会への理解を深化させ、その取り組みの積極的な開示に努めてまいります。TCFD提言では、気候変動に関するガバナンス、経営戦略、リスク管理、指標と目標の各項目に関する情報開示が求められており、次のように対応を進めてまいります。

●気候変動に関するガバナンス

保土谷化学グループは、新・中期経営計画「SPEED 25/30」のVISION(目指す姿)を「スペシャリティ製品を軸としたオリジナリティにあふれるポートフォリオと環境に優しいモノづくりで、持続可能な社会の実現に貢献する企業」とし、サステナビリティ(ESG要素を含む中長期的な持続可能性)を重要な経営課題であると位置づけております。戦略的組織対応として、2021年10月に、従来の「CSR委員会」を「サステナビリティ推進委員会」に改編し、その下部組織として、地球環境の保護・改善に関する活動を推進する「地球環境分科会」、TCFD提言に対応した活動を推進する「TCFD分科会」を設置しました。それぞれの分科会の討議内容は、経営会議および取締役会に付議・報告し、経営陣が一体となって取り組むこととしております。

●リスク管理

保土谷化学グループは、「リスクマネジメント委員会」を定期的に開催し、全社的なリスク認識・評価、リスク軽減策を討議し、経営会議および取締役会に報告しております。
これまで、気候関連リスクについては、ディザスターリスクの一つとして認識してまいりましたが、今後は、「TCFD分科会」において、気候関連リスクの不確実性等に対応するため、2℃目標等の気候シナリオの手法に沿って、リスクと機会を認識し、具体的な施策を検討する予定としております。

●戦略

2015年のパリ協定締結後、GHG排出量削減は、全世界で取り組む課題になっておりますが、保土谷化学グループは、従前より削減に前向きに取り組んできており、1990年度に21.1万トンあったCO2排出量は、主として工場での燃料転換等の施策を進めた結果、2020年度は4.8万トンと、30年間で約4分の1になっております。
今後は、「SPEED25/30」の事業戦略「新たなポートフォリオへの展開」を進めることで、生産量増加が見込まれますが、2030年を見据えた長期的な視点で予測されるリスクをTCFDのリスクカテゴリーに分類し、2℃目標等の気候シナリオ分析を進める予定にしております。シナリオ分析の解析結果から、移行リスクと物理リスクそれぞれについての対応策を検討することとし、機会についても、気候変動の緩和・適応の両面から、新たな取り組みを検討する予定としております。

●指標と目標

保土谷化学グループは、前・中期経営計画“HONKI2020”では、CO2削減目標として、排出総量では対前年度比マイナス、および削減割合として5ヵ年平均▲1%を掲げて推進してまいりました。
「SPEED25/30」の事業戦略を進めることによる生産量増加に伴い、CO2排出量の増加が見込まれる中、従来の取り組みに加え、再生可能エネルギー活用の可能性、ICP(Internal Carbon Pricing)導入によるCO2排出量削減等を織り込んだ目標設定を検討してまいります。

●今後の予定

「サステナビリティ推進委員会」において、TCFD提言に沿った気候リスク・機会のシナリオ分析および戦略策定を進め、具体的な情報の開示について検討を進めてまいります。
「SPEED25/30」において重視する、持続可能な地球・社会の実現に向けた責任を果たすため、TCFDを活用した気候変動対策を通して地球環境の保護・改善に貢献するとともに、情報開示をすることで、ステークホルダーの皆様との信頼関係の強化につなげてまいります。

エコレールマーク認定取得

1トンの荷物を1km運ぶ際に排出される二酸化炭素量は、貨物鉄道輸送では営業用トラックの約13分の1(2019年度)となっております。「モーダルシフト」(トラックから貨物鉄道輸送への転換)は、二酸化炭素排出量の削減に効果的です。
保土谷化学と保土谷建材は環境問題に積極的に取り組んでいる企業として、また保土谷化学の「サカナガード」「過炭酸ナトリウム」「過酢酸」「電荷制御剤TP-415」「クロロIPC」の5商品、また保土谷建材の「エコプルーフ」は環境にやさしい貨物鉄道輸送によって運ばれている商品として認められました。認定を表すマークである「エコレールマーク」の使用が、公益社団法人鉄道貨物協会より許可されています。