TCFD提言に基づく気候変動関連の情報開示


基本的な考え方

保土谷化学グループは、2026年度から開始している中期経営計画「コード2030」のもと、経済利益追求と社会課題解決の両立による価値提供を目指しています。気候変動問題には化学企業として真摯に向き合い、2022年11月に賛同表明したTCFD提言に基づき、取り組みの推進と積極的な情報開示に努めてまいります。

ガバナンス・リスク管理

サステナビリティ推進委員会は、「経営理念」に基づき持続可能な地球・社会の実現に向けた責任を推進していくための委員会組織です。その下部組織として、レスポンシブル・ケア活動を推進する「RC・QM分科会」に加え、地球環境の保全活動を推進する「地球環境分科会」、TCFD提言に対応する「TCFD分科会」を設置しております。全社的なリスク認識・評価、リスク軽減策を討議するリスクマネジメント委員会では、「TCFD分科会」が認識した気候変動のリスクと機会を「環境リスク」として、討議しております。各委員会、分科会での討議内容は、取締役会および経営会議に付議・報告し、経営陣が一体となって取り組んでおります。

戦略・リスク分析

中期経営計画「コード2030」の事業戦略を進めることで、生産量は増加が見込まれます。2030年を見据えた長期的な視点で予測されるリスクをTCFDのリスクカテゴリーに分類し、気候シナリオ分析を実施し、解析結果から、移行リスクと物理的リスクへの対応と機会について、新たな取り組みを推進しております。

●シナリオ
1.5℃シナリオ
  • 気候変動に対する政策・法規制 炭素税が世界的に導入され、気候変動対応の厳しい規制も世界的に施行されている
  • 気候変動 上記により、気候変動は抑えられ、自然災害の発生も、現在から大きく増加しない
  • エネルギー費用が大幅に高騰し、原材料の調達に大きな影響を受ける
4℃シナリオ
  • 気候変動に対する政策・法規制  西側先進国では、厳しくなることが予想されるが、後進国では政策・法規制の強化は進まない(=GHG排出量削減が十分に進まない)
  • 気候変動 上記の状況により、気候変動への影響が拡大(=自然災害の発生は現在以上に多発している)
  • エネルギー費用の増加も限定的となり、大きな影響とはならない
●シナリオ分析
リスク・機会 項目 リスク 機会 対応 事業への影響
移行リスク
1.5℃シナリオ
政策
規制
  • エネルギー関連法規制強化
  • CO2削減
〇  
  • 省エネの推進
  • 再生可能エネルギーの利用
  • 製造プロセスの見直し
炭素税の導入等による、エネルギーコスト、原材料調達コストの増加
環境マネジメントの強化 〇   これまでの知見を活かした社内体制の強化 マネジメント体制の整備と向上のための費用負担の増加
技術 環境対応のための新技術の創出 〇 〇
  • 要求に応じるための研究開発の強化
  • 製造プロセスの見直し等による生産技術力の強化
【リスク】
研究開発費、製造コストの増加

【機会】
要求に応える製商品・サービスの提供による市場シェアの維持と拡大
市場 環境重視の市場形成 〇 〇 市場・顧客のニーズの深堀による事業戦略の見直しと強化とそれに対応する研究開発・製造技術力の向上 【リスク】
研究開発費、製造コストの増加

【機会】
要求に応える製商品・サービスの提供による市場シェアの維持と拡大
評価 ステークホルダーの環境重視行動 〇 〇 地域社会、役職員、株主との対話の充実と体制の確保 ー
物理的リスク
4.0℃シナリオ
慢性 平均気温の上昇 〇 〇 製造設備の省力化・自動化 【リスク・機会】
特にアグロ事業の市場変化への対応
急性 地震、台風、水害の増加 〇   複数購買の推進、BCPの強化 工場操業停止や原材料の調達不能
●移行における主な事業機会
セグメント 機会
機能性色素
  • アルミ着色用染料
    環境対応型製品の開発による販売の拡大
  • バイオ事業
    PCR診断用材料から医療用への展開
機能性樹脂
  • PTG(ウレタン原料)
    バイオ化によるグリーンケミストリーの推進
基礎化学品
  • 水素
    水素社会到来による事業機会の拡大
アグロサイエンス
  • 過酸化水素・誘導品
    農業資材分野への用途拡大
指標と目標

保土谷化学グループは、中期経営計画「コード2030」で、非財務目標(気候変動関連)として「エネルギー起源の二酸化炭素排出量の2013年度比38%削減(個別)」を掲げております。この非財務目標は地球環境分科会にて検討の上、サステナビリティ推進委員会で議論を実施し、取締役会・経営会議にて進捗を確認しております。

●非財務目標

エネルギー起源の二酸化炭素排出量の2013年度比38%削減(個別)

気候変動への対応について

保土谷化学が排出する温室効果ガス(GHG)のほとんどがCO2です。2025年度のエネルギー起源GHG排出量は、1.94万t-CO2です。今後、事業拡大に伴う生産量増加が見込まれる中、2030年度、さらには2040年度を見据え、エネルギー起源CO2排出量削減に取り組みます。炭素排出量に対して価格付けを行うICP(Internal Carbon Pricing)についても、2022年度から導入しております。低炭素社会に向けた気候変動対応として、投資を後押しできる体制とすることで、2030年度には基準年2013年度に対し▲38%を目指します。

●CO2排出量※1推移

※1 非エネルギー起源のCO2排出量は含んでおりません。
2025年度の非エネルギー起源GHG排出量は、1.63万t-CO2です

※2 2030年度、2040年度の削減目標は、政府発表の産業別削減目標としております

●CO2排出量
CO2排出削減のロードマップ

※1 SCOPE1:直接的排出量

※2 SCOPE2:間接的排出量