環境保全


基本的な考え方

環境保全について、事業活動に伴い、大気、水、土壌に排出される全ての化学物質の排出量ならびに廃棄物の発生量を継続的に低減させることは化学メーカーの重要な責務の一つと捉えております。全てのステークホルダーの皆様の環境・安全・健康の向上を図るため、レスポンシブル・ケア(RC)基本理念に基づき環境マネジメントシステム(EMS)を構築し、継続的な改善に取り組んでおります。
その取り組みの一つとして、2001年12月にISO14001認証を取得しました。ISO14001マネジメントシステムを環境保全の手法(ツール)として環境負荷低減に取り組んでおります。

ISO14001:2015年版 環境マネジメントシステム
認証機関
登録番号
適合規格

取得年月日
日本化学キューエイ
JCQA-E-0330
JIS Q 14001:2015
ISO 14001:2015
2001.12.25

マテリアルフロー
省エネルギー・省資源の推進

限りある資源を有効に利用するため、全社で省エネルギーを推進しております。各工場では、プロセスの管理値最適化、省エネルギー機器の積極的導入をはじめとし、蒸気の回収再利用、蒸気配管の効率化などを実施し、燃料・電気使用量の削減を推進することで、エネルギー原単位として5ヵ年平均で年率1%削減を目標としておりますが、2020年度は、コロナ禍の影響により稼働率が低下し、1.7%増加で未達となっており、さらなる対策が喫緊の課題となっております。

脱炭素社会に向けた取り組み

工場が排出する温室効果ガス(GHG)のほとんどがエネルギー起源のCO2です。2020年度のGHG(エネルギー起源CO2)の排出量は、エネルギー使用量の減少により、対2019年度比、直近5年間の変化量ともに減少しております。
今後、生産量増加が見込まれる中、COP21目標達成に向け、エネルギー原単位改善を目的とした省エネ機器の導入推進、再生可能エネルギーへの転換など、GHG排出量削減に関する技術の調査を行い、排出削減に努めていきます。
また、保土谷化学は、政府が推進する地球温暖化対策のための国民運動、「COOL CHOICE」に賛同しており、クールビズはもとより、南陽工場での定期的な「ノーマイカーデー」の実施等の地道な活動も行っております。

大気汚染防止

工場での化学品製造の際、燃料の燃焼などにより、SOx(硫黄酸化物)、NOx(窒素酸化物)、ばいじんが発生します。
保土谷化学では、工場で使用する原燃料の都市ガス化を推進し、2011年度で切り替えを完了させたことにより、SOx排出量は2012年度より「ゼロ」を継続しております。また、NOx排出量、ばいじん発生量についても、集塵機・洗浄塔の導入や触媒の使用による除去など、より大気への排出を抑制する対策を行っており、大幅な削減を達成しております。

水資源、水質汚濁防止

保土谷化学が使用する工業用水の99%が河川からの取水で、飲料水にも用いられる上水の使用はわずかであり、さらに地盤沈下の原因となる地下水は使用しておりません。
また、製造工程から排出される排水は、工場内の排水処理施設で高度処理し、水質汚濁物質の排水規制値をクリアーした後に、公共水域に排出されます。今後も、水質の向上に努め、海や河川への環境影響リスクを低減してまいります。

産業廃棄物

産業廃棄物発生量の削減目標を「対前年度発生量以下」とし、RC年度計画に盛り込み、各事業所で個別目標値を設定し活動しております。2020年度の総排出量は、生産品目構成差により対前年度比10%の増加となり、目標値未達となりました。
一方、最終処分量については、再資源化の推進等により、対前年度比22%減少しております。今後も、小さな改善を積み上げ3R(リデュース・リユース・リサイクル)を推進し、発生削減に努めてまいります。

PRTR(環境汚染物質排出移動登録)

化学物質の環境負荷低減を図るため、化学物質管理促進法に基づきPRTR対象物質の排出・移動状況の把握を実施、国への届出を行っております。これにより、保土谷化学で製造・使用している化学物質の環境への排出や廃棄物としての移動などの実態を把握し、環境保全の観点から対象物質の排出量・移動量の削減に努めてまいります。

※PRTR:Pollutant Release Transfer Register


Voice

南陽工場

福田 孝一

産業廃棄物排出量の再生化率向上に向けた取り組み

南陽工場では、2021年度環境保全として、産業廃棄物埋立処分量の削減を、「前年度実績以上の再生化(リサイクル)率」を目標に、以下の内容について取り組んでおります。

  • ①産業廃棄物について、サーマルリサイクル等の再生化利用を検討
  • ②再生可能な優良業者を確保するために、複数の処理・処分業者との契約を締結
  • ③排出時は、優先して再生業者への処理・処分を選定し、計画的に処理・処分を実施
  • ④産業廃棄物の適正な処理のためにWDS(廃棄物データシート)の管理を行い、適切な産業廃棄物の排出を実施
  • ⑤生産工程で発生する副産物(産業廃棄物)を回収し、再利用その他、さらなる再生化率向上に向け取り組んでいきます。

保土谷アグロテック株式会社

原田 靖之

環境に配慮した製品の開発

農薬は、雑草や病害虫を防除するために使用者が安全に使用でき、散布した農薬が水産動植物を含む周辺環境へ与える影響が小さい製品開発が非常に重要な課題となります。製品の製剤処方、使用器具を工夫することで、水産動植物への影響を抑える、ヒトの暴露、周辺への飛散を減少させることが可能となります。
近年、使用する農薬に独自の安全性基準を設ける「インフラ・交通関連」の企業もあり、農薬の使用注意事項表記に水産動植物に影響を及ぼすおそれがある旨が記載されている製品の使用を禁止しているところもあります。現在、日本で販売されているほとんどの「除草粒剤」はこの注意事項が記載されていますが、私たちは有効成分とその配合量、製剤処方を工夫することで、水産動植物への影響を抑え、高い効果を発揮する「除草粒剤」を開発し、販売を開始しました。今後も安全性、環境を意識し、製品開発に取り組んでいきたいと思います。


郡山工場

佐藤 俊

川の生き物にやさしい排水を目指して

私は、水質関連の公害防止管理者として、各製造工程排水や総合排水の分析値の解析、水質の品質監視、公庁等への届出業務等を行っています。
郡山工場で製造している「過酸化水素、過酸化水素誘導品」、複写機に使用される「電荷制御剤、有機光導電体」、「アルミ着色染料」等の製造工程排水は、総合排水処理施設で処理し、郡山市を流れる阿武隈川水系の一級河川逢瀬川(おうせがわ)に放流しています。そのため、法定排水基準値よりも厳しい基準を設けて、監視・測定を行い、わずかな変化でも、直ぐに関係部署へ連絡、相談し、原因の究明と改善対策を検討、実施しています。
これからも工場一丸となって、逢瀬川のコイやヤゴたちが安心して棲めるよう、排水の品質維持・向上に取り組んでいきます。


筑波研究所

浅貝 昌史

筑波研究所の廃棄物削減の取り組み紹介

古紙類の削減は、排出量の削減とともに、地域貢献のため、つくば市の社会福祉法人の障がい者支援施設に、回収とリサイクルをお願いしております。週に1度古紙類の回収にいらっしゃいますが、その時に少々会話をすると、皆さんいつもニコニコしており私も元気をもらっています。排出された古紙類を元にわずかではありますが、福祉活動に役立てられているとも感じております。
また、廃ガラスの削減は、今まで瓶をそのまま廃棄物置場へ持って行っており、スペース確保に悩まされていたのですが、納品業者の方と相談した結果、乾燥させることで返却しリユースすることが可能となりました。現在では廃棄スペース確保の悩みが解消されております。


環境・安全・品質保証部(現 環境安全部)

柴田 悟

ISO14001内部監査

ISO内部監査員として気をつけているのは、「当社製品などが環境に与える影響を評価するための書類が適切に作成されているか」、「開発の過程で原料調達・製造から廃棄・リサイクルに至るライフサイクルの視点で取り組まれているか」といったことです。そして実際に監査してみると、課題への具体的な取り組みの進み具合がきちんと書面で管理されていることや、教育計画も真剣に考えられていることが分かります。
環境保全には継続的な取り組みが必要です。製品の消費電力を抑制する素材を供給したり、生態系に配慮した除草剤・防虫剤を開発するなど、当社は化学会社として、これからも継続的に環境保全に貢献していけると思います。